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前回のダメ出しを、決まりに

AIに同じ間違いを、させない方法

前回のダメ出しを、4行の決まりにして、同じ図面でもう一度測った。

AIに同じ間違いをさせないための決まりを、図面チェックで試した記事カバー
前回のダメ出しを4行の決まりにし、同じ図面でもう一度試しました。

結果は、2つとも5か所すべてを見つけ、間違いは0件でした。

著者
櫻本聖成
公開
更新

01

結果:ひと言なしで、2つとも5/5。間違いは0件

前回の記事で、図面14枚に仕込んだ食い違い5か所を、Claude Code と Codex に探させました。1回目はどちらも4か所。窓の高さを見逃し、Claude Code は間違いも1つ出しました。2回目は頼み方にひと言足して5か所になりましたが、Claude Code の間違いは別の所で1つ残りました。

今回は、頼み方を1回目のまま戻し、そのかわり前回のダメ出しを4行の「決まり」にして、作業フォルダに置きました。結果は、2つとも5か所すべてを見つけ、間違いは0件でした。

1回目

頼み方だけ

4/5 発見

Claude Code

  1. 扉D14の幅 ○
  2. 仕上表の部屋名 ○
  3. 部屋2の面積 ○
  4. 図面リストの図面名 ○
  5. 窓W01の高さ ×

間違い 1件

Codex

  1. 扉D14の幅 ○
  2. 仕上表の部屋名 ○
  3. 部屋2の面積 ○
  4. 図面リストの図面名 ○
  5. 窓W01の高さ ×

間違い 0件

2回目

頼み方にひと言

5/5 発見

Claude Code

  1. 扉D14の幅 ○
  2. 仕上表の部屋名 ○
  3. 部屋2の面積 ○
  4. 図面リストの図面名 ○
  5. 窓W01の高さ ○

間違い 1件

Codex

  1. 扉D14の幅 ○
  2. 仕上表の部屋名 ○
  3. 部屋2の面積 ○
  4. 図面リストの図面名 ○
  5. 窓W01の高さ ○

間違い 0件

3回目

決まりのファイル

5/5 発見

Claude Code

  1. 扉D14の幅 ○
  2. 仕上表の部屋名 ○
  3. 部屋2の面積 ○
  4. 図面リストの図面名 ○
  5. 窓W01の高さ ○

間違い 0件

Codex

  1. 扉D14の幅 ○
  2. 仕上表の部屋名 ○
  3. 部屋2の面積 ○
  4. 図面リストの図面名 ○
  5. 窓W01の高さ ○

間違い 0件

○ 見つけた × 見逃した 各回の5つの仕込みを表示。間違いの数は、仕込んでいない指摘を元の図面で確かめた結果です。

  • ① D14の幅
  • ② 仕上表の部屋名
  • ③ 部屋2の面積
  • ④ 図面名
  • ⑤ W01の窓高

02

決まりのファイルとは:フォルダに置くと、AIが最初に読む

Claude Code は作業フォルダの CLAUDE.md を、Codex は AGENTS.md を、作業を始めるときに読みます。中身はふつうの文章で構いません。毎回の頼み方に書かなくても、そのフォルダで仕事をするたびに効きます。

今回は2つのファイルに、同じ4行を書きました。

作業フォルダに置く決まりのファイル図面フォルダ、CLAUDE.md、AGENTS.mdが同じ階層に並び、Claude CodeとCodexが作業の最初に決まりを読む。作業フォルダ図面CLAUDE.mdAGENTS.mdClaude CodeCodex最初に読む最初に読む作業フォルダに置く決まりのファイル図面、CLAUDE.md、AGENTS.mdが同じ作業フォルダにあり、Claude CodeとCodexが作業の最初に決まりを読む。作業フォルダ図面CLAUDE.mdAGENTS.mdAIが最初に読むClaude CodeCodex
図面フォルダと同じ場所に決まりを置くと、そのフォルダでの作業に使われます。

03

4行の決まりは、前回のダメ出しから作った

前回あったこと 足した1行

前回あったこと
立面図の窓の上端だけが上がった前後の比較
窓の高さを注記だけで「一致」と判断
足した1行

立面図の窓と扉は、文字の注記だけで判断せず、図面上の長さを測って実寸に直し、平面図の注記・建具表と1つずつ照らす。

前回あったこと
屋上緑化の面積に含まれるくり抜きの形
緑化面積を、くり抜きごと測った
足した1行

図形から面積を測るときは、くり抜き・欠き込みを差し引く。外接する長方形で測らない。

前回あったこと
W07の寸法線と幅の記載
W07の幅を寸法の一部だけで読んだ
足した1行

幅や長さは、つながっている寸法線の合計で読む。一部の区間だけで判断しない。

前回あったこと(Claude Code 1回目)

「窓台900・窓高1,200 … と一致」

線を測らず、注記を読んで一致と判断
足した1行

「一致」と書くときは、何と何を、どう測って比べたかを1行で書く。

どれも、前回AIが実際につまずいた所から1行ずつ作りました。思いつきの心得ではなく、起きたことへの対策です。

04

実験のしかた

  • 図面 前回と同じ、架空の住宅の基本計画14枚(A-00〜A-13、A2)。仕込んだ食い違いも同じ5か所。
  • 頼み方 1回目と同じ文。2回目に足したひと言は入れていません。
  • 決まり 上の4行を、Claude Code には CLAUDE.md、Codex には AGENTS.md として作業フォルダに置きました。
  • AI Claude Code(Opus 5.5)と Codex(gpt-6.1-sol)。正解は見せていません。
  • 採点 前回と同じ。仕込んでいない指摘は、仕込む前の図面で「本物」「間違い」「軽微」に分けました。
同じ図面・同じ仕込みで、頼み方を戻して決まりのファイルを追加。正解はAIに見せていません。

05

消えた間違い

Claude Code が1回目に出した屋上緑化の面積の間違いは、今回、くり抜きを引いて「36.979㎡で一致」と書かれていました。

2回目に出した窓W07の幅の間違いも、寸法線を足して「1,820で一致」になっています。決まりの2行目と3行目が、そのまま効いた形です。

屋上緑化の面積

前回の間違い 38.390㎡ 外接長方形の面積
今回の結果 38.390 − 1.411 = 36.979㎡ くり抜きを引き、記載と一致
屋上緑化面積から差し引くくり抜き形状

窓W07の幅

前回の間違い 1,670mm 寸法の一部だけを読んだ
今回の結果 150+1,670=1,820mm つながる寸法線を合計
W07の幅を構成する150mmと1,670mmの寸法

窓の高さも、2つとも図面上の線を測って指摘しました。北立面のW01は1,400、平面図と建具表は1,200です。

06

かわりに増えたもの:時間と費用

Claude Code

時間

1回目
9分14秒
3回目
16分45秒

費用

1回目
3.20ドル
3回目
9.72ドル

Codex

時間

1回目
7分31秒
3回目
10分4秒

時間の棒は、2つとも同じ目盛り(最長16分45秒)です。

Claude Code は今回、初めてサブエージェントを3つ使い、建具、仕上と面積、立面と断面に分けて読ませていました。「一致」と書くたびに比べ方を書く決まりもあって、時間は約2倍、費用は約3倍になりました。

07

決まりの書き方のコツ

良くない1行

正確に照合する

良い1行

立面図の窓は線を測って建具表と照らす

良くない1行

長い説明

良い1行

1つのつまずきに1行。長い説明はいらない。

良くない1行

全部の失敗を書く

良い1行

効いた行だけ残し、効かない行は消す。

  • 起きたことから書く。「正確に照合する」のような心得ではなく、「立面図の窓は線を測って照らす」のように、どこで何をするかを書く。
  • 1つのつまずきに1行。長い説明はいらない。
  • 増やしすぎない。全部の失敗を書くと、毎回の作業が重くなる。今回の4行でも費用は約3倍になった。
  • ダメ出しをしたら、その場でAIに「この指摘を決まりに1行足して」と頼む。人が書き直さなくていい。

08

そのまま使える見本

図面チェックの決まり(今回の4行)

1. 立面図の窓と扉は、文字の注記だけで判断せず、図面上の長さを測って実寸に直し、平面図の注記・建具表と1つずつ照らす。
2. 図形から面積を測るときは、くり抜き・欠き込みを差し引く。外接する長方形で測らない。
3. 幅や長さは、つながっている寸法線の合計で読む。一部の区間だけで判断しない。
4. 「一致」と書くときは、何と何を、どう測って比べたかを1行で書く。

仕事の進め方(8つの約束)

## 仕事の進め方(8つの約束)
1. 正本は1つ。図面・3D・見積は同じデータから出す。日付は計算ファイルが正
2. 始める前に、背景・目的・完成条件を確かめる。分からなければ聞く
3. 数字を作らない。単価や寸法の根拠が無ければ「未入力」「要確認」と書く
4. ダメ出しされたら、このファイルにルールとして1行足す
5. 大事な成果物は、出す前に自分で粗探しする。別のAIの点検も入れる
6. 「直しました」だけで終わらない。証拠(画像・検算・比較)を出す
7. 自己流で作らない。先にプロのやり方を調べてから作る
8. 送信・公開・金額の決定はしない。下書きまで

9月27日のセミナーで紹介したもの。

作業フォルダの CLAUDE.md(Codex なら AGENTS.md)の最後に貼るだけで使えます。

09

人が確かめるところ

効いたか

決まりを足したら、次の1回で効いたかを確かめる。前に間違えた所を見る。

範囲

決まりで丁寧になったぶん、拾う範囲が狭くならないか。前に見つけていたものが消えていないか。

時間と費用

決まりを足すたびに重くなるので、効かない行は消す。

10

今回の実験で分からないこと

試した

  • 同じ図面・同じ仕込みで各AI1回
  • 前回の失敗に合わせた4行の決まり
  • 頼み方は1回目のまま

まだ分からない

  • 別の図面で同じ4行が効くか
  • 決まりが何十行になったときの重さ
  • 前回の失敗を知らない決まりでの効果

この実験の続きは、アーカイブのこの場面から見られます。

  1. 第9章
    ナレッジの貯め方 決まりのファイルと引き継ぎの、6つの層と見本
  2. 第8章
    試行錯誤の実録 ダメ出しのたびに、作り方ごと変えた記録
  3. 第3章
    Claude Code・Codexってなに? 入れ方と始め方
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よくある質問

CLAUDE.md と AGENTS.md は、両方いりますか?

使うAIの分だけで構いません。Claude Code なら CLAUDE.md、Codex なら AGENTS.md を読みます。両方使うなら、同じ中身を両方に置くのが手軽です。

どこに置けばいいですか?

AIに作業させるフォルダの一番上です。今回は図面フォルダと同じ階層に置きました。

決まりは何行くらいがいいですか?

今回は4行で、Claude Code の費用は約3倍になりました。効いた行だけ残し、効かない行は消すことをおすすめします。

ChatGPT のチャットでも使えますか?

チャットにもカスタム指示などの仕組みはありますが、フォルダごとに決まりを分けて置けるのは Claude Code や Codex のような道具です。案件や作業ごとに決まりを変えたいときに向いています。