01
ローカル文字起こしは、音声の処理場所を選ぶ方法
録音音声をクラウドの文字起こしサービスへ送らず、手元のPCで音声認識と話者分離を行います。
私たちは設計事務所として日々の業務でMOJIOKOを使い、会議の記録を整えるサービスとして開発しています。音声を外へ出したくない案件では、Local Dedicatedで文字起こしと話者分離をPC内で行えます。仕組みの細部ではなく、どの情報をどこで扱うかを先に決められることが大切です。
ただし、処理場所をローカルへ変えても、文字起こしの誤りはなくなりません。固有名詞、図面番号、寸法、採用理由は、人が原音や正本と照合します。建築AIの実務ガイドで整理している通り、AIは確認の下準備を担い、設計と説明の責任は人が持ちます。
PC内で補助できること
- 録音音声からの文字起こし
- 発話区間ごとの話者グループ分け
- 原音と文字を照合する参照記録づくり
- 案件ごとに管理するための書き出し
人が確定すること
- 発言者の氏名と所属
- 決定、提案、保留の違い
- 設計意図と採用・不採用の理由
- 施主の言葉を正式記録へ残す範囲
02
音声から参照記録までを、四つに分ける
録音から議事録までを一度に自動化せず、ローカル処理と人の確認を分けます。
目的と利用範囲を説明し、参加者の同意を得て収録する。
音声認識モデルをPC内で動かし、時刻付きのテキストへ変える。
声の特徴から発話をグループ化し、話者ラベルを付ける。
人名、数値、決定の強さ、設計意図を人が確定する。
クラウドLLMを選ぶと文字起こしテキストが外部へ送信されます。ローカルLLMまたは手作業を選べば、この工程もPC内で進められます。
GPUの性能やメモリ容量によって処理時間と扱えるモデルが変わります。導入前に、実際の会議時間、同時処理数、保存容量を使って検証します。
03
話者分離は、人物名の確定ではない
声の特徴が近い発話をまとめ、「話者01」「話者02」のようなラベルを付ける処理です。
BEFORE
話者が分からない文字列
窓を少し広げたいですね。構造との関係を確認します。次回までに案を出します。
AFTER
声ごとに分かれた参照記録
窓を少し広げたいですね。
構造との関係を確認します。次回までに案を出します。
OPTIONAL PROFILE
話者を、人ごとに登録できる
話者名と音声サンプルを人ごとに登録すると、次回以降は既知話者として照合できます。登録されていない声は「話者01」のようなラベルのまま残し、最後の確定は人が行います。
- 01 登録話者名+音声サンプル
- 02 照合既知話者として候補を表示
- 03 確定原音と名簿で人が確認
誤りが起きやすい場面
複数人が同時に話す、短い相づちが続く、反響や機械音が大きい場面では、別の人を同じ話者へまとめたり、一人を分けたりすることがあります。
建築の打合せで残す意味
発言者をたどれると、施主の要望、設計者の提案、施工側の制約を混同しにくくなります。結論だけでなく、設計意図が生まれた過程へ戻れます。
04
データの境界は、機能ごとに確認する
「文字起こしがローカル」であることと、「議事録作成の全工程がローカル」であることは同じではありません。
LOCAL DEVICE
PC内に置くデータ
- 録音音声
- 文字起こしテキスト
- 話者ラベルと時刻情報
- 原音への参照情報
CLOUD LLM
整形を依頼する場合
- 文字起こしテキスト
- プロンプトに含めた案件情報
- 生成された要約・議事録案
境界はここで決める:音声を外へ出さない工程と、整形を依頼する工程を分けて選びます。
クラウド整形を使う前に決める
- 送信する案件と送信しない案件
- 人名、住所、金額などの伏せ方
- 接続先の保存期間と利用条件
- 議事録案を確認する責任者
PC内で整形する場合に決める
- ローカルLLMを動かす端末要件
- 議事録テンプレートと抽出項目
- モデルとアプリの更新手順
- 音声・テキストの保存と削除の期限
05
処理方式と料金体系を、分けて考える
ローカル処理は外部文字起こしAPIの従量課金を前提にしません。ただし、ソフトウェアの利用料や導入・保守費用は別にあります。
私たちは設計事務所として日々の業務でMOJIOKOを使いながら、会議の記録を整えるサービスとして開発しています。ここでは、一般向けサービスと個別環境を分けて考えます。
LOCAL DEDICATED
必要スペックの目安
| 項目 | 最低目安 | 推奨目安 |
|---|---|---|
| OS | Windows 10 / 11 | Windows 11 Pro |
| GPU | RTX 3060 12GB相当以上 | RTX 4070 Ti SUPER 16GB以上 |
| メモリ | RAM 32GB以上 | RAM 64GB |
| 空き容量 | 100GB以上 | NVMe 200GB以上 |
会議時間・同時処理数・保存期間で必要量は変わります。MacのローカルGPUは現時点で標準サポート外です。
MOJIOKO Cloud
一般向けライセンス
¥4,980/月月額プラン・税込
¥29,800/年年額プラン・税込
MOJIOKO Cloudは、音声をクラウドで処理する一般向けサービスです。音声を外部へ送信する方式なので、利用規約、保存期間、学習利用条件を確認して使います。表示価格は税込です。Local Dedicatedとは別契約です。
LOCAL DEDICATED
個別環境への構築
個別見積もり
音声認識と話者分離をPC内で行う個別環境です。議事録の整形にクラウドLLMを使う場合は、文字起こしテキストが外部へ送信されます。端末要件、利用人数、保存・運用方法に合わせて構成を決めます。
外部文字起こしAPIの分単位課金が発生しない構成でも、GPUを備えた端末、保存領域、初期設定、更新や問い合わせ対応の費用は残ります。会議時間だけでなく、管理まで含めた総費用で比較します。
06
建築の議事録へつなぐ、確認手順
話者分離されたテキストを完成品として扱わず、原音、設計資料、判断した人へ戻ります。
原音と照合する
聞き取れない箇所へ時刻を付け、固有名詞、寸法、金額、図面番号を録音と資料で確認します。
話者名を確定する
話者ラベルを参加者名簿と会話の文脈に照らし、判断できない箇所は推測で埋めず「話者未確認」とします。
決定の強さを分ける
提案、検討、確認待ち、決定を区別し、採用理由と未解決の論点を残します。
正本とタスクへ反映する
人が確認した内容だけを正式な議事録にし、担当者、期限、更新する図面や仕様へつなぎます。
07
よくある質問
ローカル文字起こしでは、音声を外部の文字起こしサービスへ送信しますか?
ここで説明するローカル構成では、文字起こしと話者分離をPC内で処理するため、録音音声と文字起こし結果を外部文字起こしAPIへ送信しません。ただし、クラウドバックアップや別の連携機能を有効にしている場合は、その保存先と送信範囲を個別に確認する必要があります。
話者分離は必ず正確ですか?
話者分離が付けるのは「話者01」「話者02」のような発話グループです。人物名を確定する機能ではありません。声が重なった箇所、短い相づち、騒音がある場所では分離を誤ることがあるため、共有前に原音と照合します。
議事録整形もローカルで完結しますか?
ローカルLLMを組み合わせるか、人がテンプレートへ整理すればPC内で進められます。クラウドLLMで要約や議事録整形を行う構成では、文字起こしテキストが外部へ送信されます。音声の文字起こしと、議事録の整形は別の処理として選びます。
MOJIOKOは買い切りですか、サブスクですか?
一般向けMOJIOKOは月額¥4,980または年額¥29,800(いずれも税込)のサブスクリプションです。本記事のローカルGPU構成を使うLocal Dedicatedは、一般向けMOJIOKOとは別契約です。買い切りという一律プランではなく、初期費用と任意保守を組み合わせて個別に見積もります。
Local Dedicatedの構成を相談する。
利用する端末、会議時間、保存方法、議事録整形の範囲を確認し、初期費用と任意保守を個別に見積もります。