01
議事録は、会話を短くするだけのものではない
何が決まり、誰がいつまでに動くかに加え、なぜその案を選んだのか、施主が何を大切にしていたのかを確認できる状態を作ります。
録音は発言を確かめる照合元、文字起こしは検索・確認に使う参照記録です。誤変換を含む文字起こしを、そのまま正式な議事録にはしません。参加者への説明、保存期間、アクセス権を決めたうえで、AIには決定事項、保留事項、設計意図、採用理由、担当者、期限を分けて出させます。
建築用語、固有名詞、図面番号、数量は誤変換が起きやすいため、人が原音と図面、仕様書を照合します。AIが行うのは整理と下書きまでです。この分担は建築AIの実務ガイドでも共通する原則です。
AIが作る下書き
- 話題ごとの文字起こし
- 決定・保留・確認待ちの分類
- 担当者と期限の候補
- 関係者へ送る共有文の下書き
人が確定する正式記録
- 決定した範囲、条件、採用・保留した理由
- 設計意図と、施主が大切にした要望
- 氏名、会社名、図面番号、数量
- 担当者、期限、優先順位
- 社外へ共有してよい内容
02
録音から共有まで、四段階でつなぐ
一回で完成させようとせず、録音、文字起こし、分類、確認・共有の四段階に分けます。
参加者へ伝え、案件名と会議の目的を記録する。
聞き取れない箇所に印を付け、原音へ戻れる状態にする。
決定、保留、確認待ち、担当、期限へ分ける。
責任者が照合し、正本とタスクへ反映する。
録音や文字起こしを外部サービスへ送る場合は、利用規約、保存期間、学習利用の有無、社内ルールを事前に確認します。施主情報や未公開図面を必要以上に入力しません。
03
会議の種類で、残す項目を変える
共通テンプレートを土台にしつつ、会議の目的に合わせて確認項目を足します。
設計打合せ
- 採用案・不採用案と、その理由・設計意図
- 変更する図面・仕様
- 法規・構造・設備への確認
- 次回までの検討担当
施主打合せ
- 合意した要望・条件と、施主が大切にした言葉
- 予算・納期への影響
- 持ち帰る確認事項
- 次回提示する資料
現場定例
- 安全・品質・工程の指摘
- 施工図・承認図の期限
- 是正内容と完了条件
- 搬入・検査・立会い予定
| 区分 | 書き方 | 確認する人 |
|---|---|---|
| 決定事項 | 決まった内容と適用範囲を一文で書く | 会議責任者 |
| 保留事項 | 決められない理由と次の判断材料を書く | 判断者 |
| タスク | 担当者、期限、提出物、完了条件を書く | 担当者本人 |
| 参照資料 | 図面番号、版、日付、ファイル名を残す | 資料作成者 |
04
議事録を送る前の、六つの確認
文章を整えるより先に、誤ると実務へ影響する箇所を確認します。
固有名詞
会社名、人名、製品名、部屋名を原文と照合します。
数値と単位
寸法、数量、金額、日時、階数を音声と資料で確認します。
図面番号と版
参照した図面が最新版か、改訂日とあわせて確認します。
決定の強さ
提案、検討、確認、決定を混同していないかを確認します。
担当者と期限
部署名だけで終わらず、実行する人と提出日を置きます。
共有範囲
社外へ出せない情報や、別途確認が必要な内容を分けます。
議事録だけでなく、業務全体の現在地を確認する。
建築AI活用度診断は、書類と事務、設計と図面、現場と工程を分けて確認できます。
05
よくある質問
建築の議事録はAIだけで完成させられますか?
AIが担うのは文字起こしや分類、文面の下書きまでです。決定事項の強さ、設計意図、採用理由、施主の要望、担当者、期限、図面番号は、参加者または責任者が原音や資料と照合して確定します。
設計打合せと現場定例で、同じ議事録テンプレートを使えますか?
共通項目は使えますが、現場定例では安全、施工、検査、是正、搬入などの項目を追加します。会議の目的に合わせて抽出項目を固定すると確認しやすくなります。
会議を録音するときに注意することは何ですか?
録音前に目的と利用範囲を説明し、参加者の同意を得ます。利用するサービスの保存条件や社内規程も確認し、機密情報や個人情報を含む場合は入力範囲を必要最小限にします。