Archi-Prisma Design works

制作記録 / COURT・STEP

AIで建築プレゼン資料をつくって分かったこと|修正は、1枚で終わらない

著者:櫻本 聖成

平面、断面、分解図まで、AIと建築の説明資料をつくれる。実際に試す中で大事だったのは、できた図を見て、人の動きや別のページとのつながりまで確かめることでした。

海辺の図書館STEPの修正後の図解。段状の建物と階段頂部の踊り場を示す
公開済みの制作研究画像

STEPの修正後の図解。階段の上り先に連続した踊り場を設け、左右の床をつないでいます。画像を開くと拡大できます。

2026年9月6〜7日、AIと二つの建築スタディを進めました。中庭のある架空住宅「COURT」と、海辺の架空の市民図書館「STEP」です。形態や空間の関係を、図で伝えることに取り組みました。

その途中で私が伝えたのは、ドアの位置や動線への指摘、ほかのページも直す必要があるということ、そして階段の上り先に床が足りないということでした。ここでは、実際のやり取りと修正から、資料を見るときのポイントを紹介します。

2枚目とかも直さないとでは

2026年9月7日 / COURTの修正中に私が伝えたこと
今回の制作を振り返る 経験から整理した、三つの段階
  1. 図をつくる
  2. 使い方を見る
  3. 関連図も直す

COURT:図の中を、人がどう動くか

COURTでは、平面や断面、立体的な図を見ながら住宅の説明資料をつくっていました。私からは「ドアの位置、無駄な突き当り」「余分な広さ」などを指摘しています。

形が整って見えることと、その空間を使いやすいことは、同じではありません。入口からどこへ進むのか。建具はどの部屋につながるのか。平面の中を実際に歩くつもりで追うと、修正したい点が具体的になります。

このときも、修正後に浴室まわりの建具について追加で確認しました。一度指摘して終わりにせず、出てきた図をもう一度見て、次の指摘を返す制作でした。

1枚を直しても、資料全体は直っていなかった

修正が進んだところで、「2枚目とかも直さないとでは」と伝えています。3枚目が更新されても、2枚目の平面・断面には古い案が残っていたためです。

そこで、2枚目だけでなく、表紙や分解図にも更新が必要な箇所を確認し、平面・断面・形態図・分解図を共通の案に合わせて直しました。

読み手は、ページごとに別の建物として図を見ているわけではありません。平面で変えたことが、立体の図ではどう見えるのか。同じ変更を説明する図はまとめて確認する必要がありました。

STEP:階段を上った先に、床があるか

別の制作例であるSTEPでは、段状の建物の図解をつくっていました。初期の図には、階段の上り先の床が足りない箇所がありました。そこで「こうじゃないと階段上っても落ちることしかできないよ」と指摘しています。

修正版では、階段の頂部に連続する踊り場を設け、左右の床へつながるようにしました。関連する二つの図も更新しています。下の画像は修正後のもので、踊り場のつながりが説明されています。

階段の形が描かれているだけでは、その先へ移動できるとは限りません。「どこから上って、どこに着くか」まで見ると、図の中で確認すべき場所がはっきりします。

STEPの修正版。中央の階段頂部から左右に連続する踊り場の説明
修正後のSTEP。中央の階段と、上り先の左右の床のつながりに注目してください。タップで拡大できます。

完成前に、図のつながりと読みやすさを確かめる

最後の表示点検では、寸法文字と断面記号の衝突や、動線表示の重なりも直しました。空間の内容を修正した後には、それが読み手に伝わる表示になっているかも確認しています。

AIと図解をつくるとき、私たちが返す指摘も成果物を変えます。「もっときれいに」から一歩進めて、気になる場所、そう考える理由、一緒に直す図を具体的に伝える。そのために、今回の経験を次の三つの視点に整理しました。

  1. 空間のつながり

    入口、建具、階段、到着する床をたどり、人の移動がどう描かれているかを確認します。

  2. 図同士のつながり

    変更した箇所が出てくる平面・断面・立体図を並べ、古い案が残っていないか見ます。

  3. 説明の読みやすさ

    寸法、記号、線が重なって、伝えたい内容を隠していないかを確認します。

修正依頼に使えるメモ

今回の経験をもとに整理した記入例です。制作当時の指示文の再掲ではありません。自分の資料に合わせて書き換えて使えます。

対象:[案・資料の名前]
気になる場所:[ページ・図・部位]
理由:[人の移動、床の接続、表示など]
修正してほしいこと:[具体的な変更]
一緒に確認する図:[同じ箇所を示す別の図]

該当する図を修正し、関連する図に古い案が残っていないかも確認してください。
修正後は、指摘した場所と関連図を並べて見せてください。

本文を選択してコピーすることもできます。

確認項目と保存用テンプレート

  • 人が通る場所と到着する場所を確認したか
  • 同じ変更に関係する別の図も見直したか
  • 寸法・記号・動線表示が読み取れるか

図と図をつなぐ改訂メモ

空欄を書き込めるMarkdown形式のテンプレートです。保存して、今回の検討条件や確認結果を記録できます。

テンプレートを保存する(.md)
テンプレートの内容を読む
# 図と図をつなぐ改訂メモ

この制作経験をもとに、記事用に整理した記入欄です。

- 案・資料の名前:
- 指摘するページと場所:
- 気になる理由:
- 修正してほしい内容:
- 関連する別の図:
- 修正後に確認する移動・接続:
- 修正後に確認する文字・記号:
- 確認結果:
- 次に修正したいこと:

よくある質問

COURTとSTEPは同じ建物ですか?

別の制作研究です。COURTは中庭のある架空住宅、STEPは海辺の架空の市民図書館です。それぞれの制作で生じた指摘と修正を紹介しています。

AIへの修正依頼は、何から書けばよいですか?

まず気になるページと場所、その理由を書きます。そのうえで、変更が関係する別の図も指定すると、資料全体を見直すための依頼になります。下のメモを記入例として使えます。

この資料は、そのまま実施設計に使えますか?

本記事の図は空間を説明するためのスタディです。実施設計に必要な寸法や仕様、法規・構造などの検討を済ませた資料ではありません。

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